「グローバル社会」のなかでみすごされがちな「異」を通して異文化コミュニケーションの概念を学び、理解を深める入門書。
基礎的な概念の説明と、現象を批判的に分析する提言を盛り込んだ「基礎編」、その概念を応用してさまざまな現場の分析を行う「応用編」、時間軸と空間軸をさらに広げて考察する「発展編」の3部構成。
各章いずれも身近な「異」を導入とし、章末には考察を深めるための問いとディスカッションのヒントを提示。
第Ⅰ部 基礎編
第1章 他者との出あい:「異なる」という意味
1.〈国=文化〉という枠組み
2.さまざまな文化の違い
3.ステレオタイプな表象
4.日常のなかのカルチャーショック
5.他者との出あいとアイデンティティ
6.異文化コミュニケーションを学ぶ意義
第2章 「ふさわしさ」をめぐるコミュニケーション:読めない空気
1.コミュニケーションの意味
2.「ふさわしさ」の恣意性
3.暗黙の了解
4.協調性と排他性
5.高コンテクスト文化/低コンテクスト文化
6.「わかりあい」が隠蔽するもの
第3章 ことばというシンボル:メディア化する日常
1. 多義的なことば
2.ことばの道具性
3.始めにコミュニケーションありき
4.ことば・権力・支配
5.ネット時代のことば
第4章 ことばにできないメッセージ:沈黙の意味
1.沈黙のイメージ
2.多種多様な非言語コミュニケーション
3.非言語メッセージの意味解釈
4.「話さない」と「話せない」
5.言語/非言語の優劣関係
6.多様な解釈の可能性
第5章 グローバル化とメディア:情報化社会と私たち
1.世界を駆け巡る情報と生活のペース
2.ネット社会の不平等な関係性
3.個人情報のデータベース化
4.グローバル化と経済格差
5.メディアと私たちの意識
6.私たちと社会とのつながり
第Ⅱ部 応用編
第6章 コミュニケーションの〈想像/創造する力〉:記憶の継承
1.メモリアルデーがつくり出す記憶
2.「大きな物語」からこぼれる記憶
3.「他者」と出あう場としてのメディア
4.コミュニケーションの射程
5.自分のなかの「異」との出あい
第7章 英語という言語選択:外国語を学ぶ意味
1.英語を学ぶなかでの違和感
2.外国語は英語
3.英語“で”コミュニケーション
4.英語を学ぶわたし
5.「異文化実践」としての外国語学習
第8章 異文化交流の意味:期待にそえないメッセージ
1.ユニークな文化イメージの再生産
2.期待に応える「語り」
3.日本文化のイメージ
4.文化を語るための視点
5.文化を語る相手へのまなざし
6.文化の「仲介者」としての役割
第9章 多国籍チームにみる組織内コミュニケーション:差異とアイデンティティ
1.多国籍チームのなかの多様性
2.多様なメンバーのアイデンティティ
3.多様性に配慮したコミュニケーションの実践
4.相乗効果をもたらすコミュニケーション
5.差異から生まれるアイデンティティ
第Ⅲ部 発展編
第10章 スペクテーター・スポーツの異文化論:わかりやすい「日本人」の姿
1.スペクテーター・スポーツとグローバル化
2.敵役は「外国人」
3.助っ人選手の「日本人らしさ」
4.グローバル化と日本人選手
5.「よそ者」としてのプロアスリート
第11章 移民・難民問題から考える多文化社会:在ドイツ日本人移民のまなざし
1.多様化する社会と多文化主義
2.ドイツにおける多文化主義と「並行社会」
3.在ドイツ日本人移民の「異」へのまなざし
4.多文化社会のこれから
5.ドイツの例から学べること
第12章 異文化としての「スピーチ」:公の場で文化・政治を語ること
1.「プレゼン」と「スピーチ」を分けるもの
2.演説の死とスピーチの非政治化
3.文化を語る行為の政治性
4.「政治の主人」になる意義
5.演説の復活とプレゼンの(再)政治化
第13章 越境・架橋するプロセス:みえる/みえない境界線
1.みえる境界線
2.境界線が引かれるプロセス
3.みえない境界線を意識すること
4.境界線を問いなおす視点
5.越境と架橋
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