内容あるもの、モラル、政治的メッセージなどをことごとく「ダサイ」と決めつけ、ファッショナブルな外見にこだわり、限りない遊戯に耽るポストモダン的時代を生きる若者たち。彼らが今日、意外にもドイツ的過去の亡霊に苛められている様子や過去に立ち向かわざるを得ない苦悩をスピード感あふれる文体で描く。権威の打倒に燃えた60年代、社会変革の挫折と沈滞の70年代を子供の目で体験し、ポストモダンな80年代に青春を過ごした作者(1966年生まれ)が語る「我が祖国」。●作家紹介 Christian Kracht:1966年スイス生まれ。米国、カナダ、南仏を経て現在カルカッタに在住。