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復刻版
冠詞 第1巻 定冠詞篇

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復刻版
冠詞 第1巻 定冠詞篇

著者名
関口存男
判型
B5判/上製背革装函入
ページ数
1080ページ
ISBN
978-4-384-01237-8 C3084
初版年月日
2008/11/21
定価
52,800円 (本体 48,000円+税)
ジャンル
専門書・研究書 > 言語
偉大なるドイツ語学者であり、言語思想家であった関口存男の、畢生の大著。ドイツ語のみならず、英・仏・ギリシャ語など印欧語全般にわたって、人智の探索しうるかぎりをつくし言語の機微に触れ、詳細に説かれている。三修社創立70周年記念復刊。


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推薦のことば

世界に誇る知的財産  ~ 佐藤清昭(浜松医科大学教授)

 関口存男氏の『冠詞』が復刻され、私たち研究者の手に近くなることは、大変意義の深いことと思います。
 『冠詞』は関口氏が自分の死を意識しながら書いた著作であり、この中には氏の学問的認識、つまり「『意味形態文法』とはどういうものであり、『意味形態』をつかむことにより言語学上の難問をどのように解決することができるのか」という考えが、凝縮され、総決算的に詰め込まれています。
 『冠詞』では、研究者たちを長年悩ませてきた冠詞の用法が見事に解明され、系統的に呈示されます。 それを可能にしたのは氏独自の「意味形態論」的研究方法です。 関口氏は冠詞を、「それ自体」として存在するものではなく、「それを使いこなす局面」、つまり「話(わ,Sprechen)の場」ではじめてハッキリとあらわれる現象と理解します。 そこには「人間による言語の能動的使用」が前提とされており、ここに、言語をもっぱら「形式の自律的な体系」とみなす文法との大きな差が存在します。
 意味形態文法は、遅ればせながら、(そして日本よりもむしろ欧米において)その価値が認められるようになってきました。 つまり、「関口文法は世界の学問全体の中でどういう意味を持つのか」「この文法は言語学の今後の進展にどのように貢献できるのか」という問いが提示され、その解答がハッキリした形で示されるようになってきたわけです。(その際に、関口氏の『前置詞の研究』のドイツ語訳(1994)、そして『独作文教程』のドイツ語訳(2008)は大きな役割を果たしていくことでしょう。)
 関口存男、あるいは意味形態文法という、日本の知性、知的財産を世界の言語学界へ発信し、発展させていくには、日本の研究者の精進と理解、そして協力が不可欠であります。 その意味で、今回の『冠詞』の復刻は大変歓迎すべきもの、と私は思います。

著者紹介

関口 存男(セキグチ ツギオ)