永遠のセックスシンボルとしてのマリリン・モンローことノーマ・ジーンは、男の幻想と欲望に自らの生を略奪され、押しつぶされたいわばメディアの犠牲者だった。このような、彼女の生き方、いや生かされ方、殺され方に対してこの小説は軽やかに別れを告げる。主人公アンナは、ミュンヘンのCM制作会社を男友達と共同経営する女性。世界中を飛び回り、バカンスはハバナで過ごす華麗なるエグゼクティブ・ウーマン。アンナのアクティブかつ攻撃的な性は、男たちの自分勝手で陳腐な性幻想を見事に裏切っていく。
●作家紹介
Claudia Nekro：著者は女性で、1956年ドイツ・ミュンヘン生まれと言われている。クラウディア・ネクロは仮名。ネクロ（死、屍体）というのがいかにもまがまがしい。