Can-doを学習目標にした授業や評価のあり方がわかる!
近年、日本語教育の参照枠やJF日本語教育スタンダードなど、日本語教育の新しい枠組みができ、「日本語で何ができるようになるのか=Can-do」を学習目標に据えた課題遂行型の日本語教育の実践が求められています。
日本語教育が行動中心のアプローチへと大きく変化する中で、教育現場を預かる教師は、授業をどのように見直し、変えるのか。
課題遂行型の日本語教育を実践する上で基盤となる考え方と、授業の進め方、評価のしかた、異文化理解の扱いまで、初級授業の事例を挙げながら詳しく解説します。
これからの時代に向け、マインドセットを一変させたい方へ。
はじめに
第1章 課題遂行型の日本語教育とは
1. 日本語学習の目標
(1) 学習目標と授業内容の不整合
(2) 試験合格は本当の学習目標なのか
(3) 外国語教育は行動中心アプローチへ確実に変化
(4) 課題遂行型の日本語教育とは
2. 課題遂行型の日本語授業の基盤
(1) 外国語/日本語教育の枠組み:CEFR、JFS、参照枠
(2) 課題遂行能力の6 つのレベル
(3) 課題遂行能力とCan-do 能力記述文
3. 課題遂行型の日本語教育におけるCan-do の役割
(1) 授業設計の柱
(2) 学習目標の明確化
4. 教え方を変えるというチャレンジ
第2章 課題遂行型の授業設計1 コミュニケーション言語活動
1. 課題遂行能力と日本語教材
(1) コミュニケーション言語活動とコミュニケーション言語能力の関係性
(2) JF 日本語教育スタンダード(JFS)と『まるごと 日本のことばと文化』
2. 授業設計に必要なもう1つの柱:第二言語習得プロセス
(1) Can-do は授業の具体的な方法を示すものではない
(2) 言語知識が多ければ運用力は上がるのか
3. 課題遂行型の授業設計の事例『まるごと』「かつどう」
(1) 何を教えるか:内容一覧
(2) どうやって教えるか:各課の構成/授業の流れ
(3) 『まるごと』「かつどう」の授業の実際
4. 第二言語習得プロセスを教室活動にどのように適用するか
(1) 第二言語習得プロセスを組み込んだ授業の流れ
(2) 従来と異なる教師の役割
(3) 聴解テキストの質と量
5. 話すことは聞くことから始まる
第3章 課題遂行型の授業設計2 コミュニケーション言語能力
1. 課題遂行のための言語能力の育成とは
(1) 言語項目と課題(Can-do)のつながり
(2) 文字学習の考え方
2. 言語能力育成のための授業設計の事例 『まるごと』「りかい」
(1) 何を教えるか:内容一覧
(2) どうやって教えるか:各課の構成/授業の流れ
(3) 『まるごと』「りかい」の授業の実際
3. 『まるごと』「りかい」の授業の特徴
(1) 文脈化と音声利用
(2) 文型中心の日本語授業との比較
4. 課題遂行能力の育成:帰納的アプローチと演繹的アプローチ
第4章 課題遂行型の日本語教育における学習評価
1. 課題遂行の評価
(1) パフォーマンス・テスト
(2) ルーブリックを使った評価
(3) 評価に対するマインドセット 点数化、公平性、客観性の再考
2. 課題遂行型日本語コースの評価活動
(1) 目標・授業・評価の整合性
(2) コミュニケーション言語活動の評価
コラム 文字テスト
(3) コミュニケーション言語能力の評価
(4) 学習者の自己評価
3. 評価が担う役割
第5章 課題遂行と異文化理解能力
1. 異文化理解能力とは
(1) 異文化理解能力の構成要素
(2) 何を教えるか
(3) 異文化理解学習の場
2. JF 日本語教育スタンダードと異文化理解
(1) 相互理解のための日本語
(2) 課題遂行と異文化理解能力
(3) 『まるごと 日本のことばと文化』における異文化理解の扱い
3. 異文化理解能力を育てる授業 『まるごと』の事例
(1) 生活の中にあるモノ、コトの文化から考える
コラム 質問の種類を意識する:ディスプレイ・クエスチョンと
レファレンシャル・クエスチョン
(2) 日本語でよく使う言葉や表現の中にある文化から考える
(3) 会話の中の文化から考える
(4) 異文化理解学習のツール ポートフォリオ
4. 異文化理解能力を育てるための教師の役割とは
第6章
課題遂行型の日本語教育 実践のステップ
1. 学習者と学習ニーズの分析
2. コース全体の構成内容
(1) レベルの定義:「初級」か「A1/A2」か
(2) 初級のコース内容:「フルコース」か「アラカルト」か
3. シラバス(学習項目表)の作成
(1) Can-do はどう作る?
コラム MY Can-do の作り方 ツール紹介
(2) モデル会話の作成と言語項目の選び出し
(3) 言語項目の配列とレベル
4. 学習/指導方法の検討
(1) 第二言語習得プロセスをベースにした新しい授業の方法
(2) 音声重視の教え方の工夫
(3) 文字学習のあり方を再考する
5. 欠くことのできない異文化理解能力の育成
(1) 日本事情・日本文化の知識にとどまらない
(2) 入門期からの異文化理解学習
6. 評価方法の策定
(1) 目標Can-do と整合する方法
(2) 学習者自身のふり返り
(3) レベルの判定
7. マインドセットの変容は仲間との協働によって実現する
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