地域語も含めた言語教育の可能性を広げるために。
日本とは大きく異なる多言語・多文化社会のヨーロッパ各国の初等・中等教育段階における複数外国語教育政策に注目し、歴史的・文化的背景と外国語教育政策との関連を総合的に提示することを目的としている。またその分析を通じて、日本の外国語教育への問題提起も行っている。
ヨーロッパは1960年代より、欧州評議会のもと、文部大臣会議などを通じて改革の努力を国境を越えて積み重ねてきた。地政学的に多様な歴史的背景と文化を持つ国々が相互理解を深め、共存し繫栄するために「外国語教育」の持つ可能性は大きい。
本書では歴史的視点も入れ、9か国の現在の外国語教育の共通性・多様性について論じ、これからの日本の外国語教育の豊かな展開の一助となるべく執筆されている。
まえがき 杉谷眞佐子
1 共存力と競争力を求めるヨーロッパの外国語教育(1)
戦後の平和共存へ向けた欧州評議会を中心とする歴史的改革
杉谷眞佐子
2 共存力と競争力を求めるヨーロッパの外国語教育(2)
「共存・繁栄・競争」をめざす欧州連合の外国語教育政策
杉谷眞佐子
3 ウェルビーイングの視点に立った外国語教育の成否に影響を与える要因の国際比較
米崎 里
4 ドイツ
教育における連邦制と外国語教育政策
山川智子
5 スペイン
ローマ帝国支配下から、海洋スペイン帝国、EUの一員への変遷の道
植松茂男/ペレス・リオボ・アンドレス
6 フランス
フィヨン法からの変革
松浦京子
7 イタリア
学ぶべきは英語?周辺地域語?それともイタリア語?
長田恵理
8 ラトビア
多言語国家ラトビアの新たな取り組み
米崎啓和
9 オランダ
高度な英語力獲得への挑戦
髙坂京子
10 オーストリア
CLILと複言語・複文化主義を中心として
二五義博
11 フィンランド
外国語教育成功の根本要因を探る
米崎 里
12 イングランド(イギリス)
移民と試験制度の交錯
大場智美
13 わが国の外国語教育の課題
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