酒と放浪生活に明け暮れ、パンクでカルト的な作家として知られるチャールズ・ブコウスキー。本書では短編・詩集・小説など数々の作品批評を通じて「無防備で」「めちゃくちゃな」ブコウスキーの自意識あるいは自己のあり方を考察する。
巻末には、簡明な説明を付した、豊富な文献リストを掲載。
(装幀 宗利淳一)
週刊読書人ウェブ(2019/9/20)読書人紙面掲載 特集にて、執筆者と推薦者による寄稿が掲載されました。全4回。下記リンクからご覧ください。
序章 スタイルとしての無防備
裸の感覚
無防備の位相
「剥き出し」の存在
解釈の不可能生
スタイルとしての無防備
サギ・君・読者
無防備な書き手
ブコウスキーと伝記の問題
第1章 開かれ――ブコウスキーの詩における動物
言語と動物の生
修辞としてのスズメ
さらされる死骸
さらされる読者
無防備と距離
金魚を追う、ゆえにわたしは(金魚)である
動物に食べられること
日常のなかへ
第2章 遠い間近さ――ブコウスキーの詩における観察の系譜
部屋のなかの存在論
遠い間近さ
観察の系譜
窓の外にあるもの
こちら側にとどまるための観察
観察と音/声
「裸」の観察者
取り残される観察者
観察の先へ
第3章 無用の人――ブコウスキーの短篇のいくつかの特徴について
散文的な叙情性
深まるアイロニー
ブコウスキー的リアリズム
人の多い話
裸の身体
ブコウスキーを越えて
第4章 冒険のあとで——『ポスト・オフィス』と仕事
郵便配達人の冒険
冒険のあとで
女性の役割
小説と仕事
なぜ郵便なのか
第5章 死から遠く離れて——『ファクトウタム』と失業
労働と不要な細部
労働という現実
発送係という仕事
交通としの誘惑
ジャンの位置
第6章 さらされる作家の肖像——『女たち』とパフォーマンス
朗読会とオーサーシップ
空港と内面
孤独な作家の夢想
女(たち)とパフォーマンス
女同士のネットワーク
第7章 奇妙な愛着——『ハム・オン・ライ』と損なわれた身体
父と食
見えすぎる身体
痤瘡と創作
さらされる窃視者
奇妙な愛着
第8章 無防備の彼方へ——『ハリウッド』とアルコール
映画とオーサーシップ
死の欲動
アルコールとロマンス
夫婦の位相
終章 一抹の崇高さ——『パルプ』と作家の倫理
あとがき
資料
年譜
キーワード集
文献リスト
索引
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