ドイツ語学者・関口存男(1894-1958)が独自の言語観にもとづき、ドイツ語について展開・実践した文法理論(通称・関口文法)を全3巻で紹介し、解釈し、言語研究の発展に寄与する。第1巻の『関口存男の言葉』では、関口の「言語観と人間観」、そして(その「言語観と人間観」にもとづいて展開された)「関口文法」において重要視される「文法現象」を、数多くの著作の中から精選し、関口の「生の言葉」で紹介する。今後、第2巻『関口存男 前置詞辞典と文例集』、第3巻『関口文法の解釈とその発展の可能性』の刊行を予定している。
第一部 関口存男の言語観と人間観
① 文を作るための文法
② 人類共通の「意味形態」
③「事実」と「事実の考え方」と「言語表現」
—「意味」と「意味形態」[その1]—
④ 達意眼目
⑤「言語」から「思想」への影響
⑥ 意味形態文法と人間
— 人間は未来一辺倒の存在物 —
— 企画話法 —
⑦「事」と「もの(者・物)」
⑧ 名詞という品詞
— 他の品詞はすべて「事」,名詞だけが「もの」—
— 文の短縮形である「事型名詞」—
⑨ 規定
— 言語それ自体の有する根本関係; あらゆる文章論の出立点 —
⑩ 定形中心論
⑪ 述語
— 達意の内容そのもの —
⑫ 非人称動詞の心理的根拠
Exkurs 関口存男の「多弁的座談調」の文体について
第二部 関口文法の注目する言語現象
① 言語について
②「意味」と「意味形態」[その2]
③ さしずめ性 (zunächst und zumeist)
④ 誤想の排除,否定
⑤「指す」と「受ける」
— 指示詞と定冠詞の違い —
⑥ 換称代名詞
⑦ 言(げん)と語
⑧ 展張 (Erstreckung)
— 展張方向の in,展張範囲の四格 —
⑨ 移轍(いてつ)(=形式上の錯構)
⑩「合言葉」は挙げる,「判定」は下す
⑪ 現象の自主自足性とその承認
— 循環話法(再帰話法:再帰述語文,再帰物主冠詞)—
⑫ 類造 vs. 耳慣れた語像・音像
⑬ 伝達的呼称:「定例的異変」の無冠詞
⑭ 処理的遂行と宿命的遂行
⑮ 関心の三格
⑯ 万能三格
⑰「論程」という話場
⑱ 単数と複数の区別を超越した「単数形」
⑲ 日本人の慢性定冠詞症 (Bestimmterartikelitis chronica)
⑳ zu 不定句の多岐多様な性格
㉑ 関口文法とエスペラント語
㉒ 日本語との対照
(1) 日本語では「規定する」語が「規定される」語の前に置かれる
(2)「馬鹿も休み休み言え」
(3) 日本語にも定冠詞が生じていたかもしれない
(4) 日本語はすべてを「音響」に,ドイツ語はすべてを「方向」に
(5) 外交的接続法(または婉曲話法)と日本語
第三部 関口存男の言葉
① 言語と思想
(1) 遅読の讃
(2) ひねれ
(3) 羽目に立て!
(4) 自己と対決せよ!
②「文化語学」と「実用語学」
③「朗読文学」について
④ ゲーテの墓碑銘
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